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津波ピアノ

「津波ピアノ」に新たな息吹を

坂本龍一氏のプロジェクトにピアノ再生で協力

2012年、音楽家の坂本龍一さんは宮城県名取市で一台のピアノと出会います。そのピアノは宮城県農業高校の体育館に置かれ、2011年3月11日の東日本大震災による津波によって泥水を被り、弦が切れ、調律も大きく狂ったピアノでした。震災で被害を受けた学校の学期修復などの支援活動をしていた坂本さんは、そのピアノを弾きますが、当然ながら音は狂い、押し込んだ鍵盤のいくつかはそのまま戻らないという、とても普通の音楽活動に使える代物ではありませんでした。
それから数年後、ピアノが置かれていた宮城県農業高校のもとに、坂本龍一さんから一枚のCDが届きます。<async>と題されたアルバム、その中の一曲に、なんと坂本さんが学校訪れ、被災したピアノを弾いた時の音源が使われていたのです。さらに坂本さんは廃棄が予定されていたこのピアノの引き取りを申し出、アート作品として再生するプロジェクトを始めます。

 

津波ピアノ

坂本さんの取り組みは、このピアノに自動演奏装置を取り付け、世界中の地震データをプログラミングしたものと同期させ不規則な音を奏でるというもの。この作品制作において、津波ピアノの修復をヤマハピアノサービス横浜センターが担当させていただきました。
坂本さんからの依頼は、通常のピアノ修復とは異なり、完全にピアノを再生するのではなく、被災した状態のピアノを「津波によって自然が調律したピアノ」と捉え、可能な限り被災時の状態のまま展示に耐えうるピアノとして再生するというもの。そのため通常行う弦やハンマーの交換、鍵盤の調整などは行わず、その状態でインスタレーション作品として、求められる音を出すという、ある意味、特殊で繊細な調整を行いました。

 

津波ピアノ

作品は2017年末から23018年初頭にNTTインターコミュニケーション・センターにて開催された「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」にて展示されたほか、2018年10月に開催された釜山国際映画祭(韓国)でも「IS YOUR TIME BUSAN Version」として展示・実演され、坂本さんからの依頼を受けた当社の技術スタッフが釜山に出向き、ピアノ、自動演奏装置のの調整等を担当させていただきました。

 

釜山国際映画祭(韓国)